電気工事士と就職の話


最近、若い人から電気工事士への就職の方法や電気工事士になるための進路の相談を受ける機会がよくありますが、この「独学で電気工事士」は中高年向けの話題が基本なので、若い人に合った話とはズレています。

そう言った意味から、若年層の参考にならないので、今回は若い人向けの記事内容になっています。

特に相談が多い電気工事士と進路(就職)について、私の経験の範囲内ではありますが、紹介して行きたいと思います。


電気工事士の資格の最大のメリット

実のところ、私は電気ではなく、無線から電気の世界の仕事に就きました。

当時は無線従事者の資格しか持っていませんでしたから、最初の就職先では通信機器の運用をする仕事をしていました。

もちろん、電気に関する基礎知識は同じではありましたが、仕事内容の多くは電子基板の整備や修理、そして電波の関する測定が主です。

もちろん、電気工事に関する仕事もありましたが、そのような仕事は外注業者が行なっていたので、それらの経験を積む機会すらありません。

その後、電気メーカーに転職して機器を立ち上げる仕事を始めてから、ようやく電気工事に関する仕事を見たり行ったりする事ができました。

とは言っても、当時は電気工事士の資格を持っていませんでしたから、支持された事を手伝う程度するだけでしたから、およそ実務経験とは言えないレベルです。

そんな中で、無線系の仕事がインターネットの普及により縮小され、無線の部署から伝送系の仕事に変わりました。

伝送系とは簡単に言えばインターネットのようなデータ通信に関する仕事を行います。

こうして、幸か不幸か技術の衰退や転換によって、ある日突然仕事がなくなる経験ができたのです。

つまり、就職したにも関わらず、また振り出しに戻ってしまったのです。

その後、伝送系も縮小され、時代はインターネットが主体となり、そして携帯の爆発的な普及、そして無線系の復活と、散々ひり回される結果に。

しかしこの間、安定してキャリアを蓄積できた電気工事士の人達でした。

現在は電気をエネルギー源に動く仕組みですから、災害が発生した場合、最初に復旧させるのは電気です。

電気によって明かりを灯せるし、冷暖房を稼働できます。

つまり、電気は一番重要な社会基盤であり、その上で全てのシステムが成り立っています。

電気はガス等で発電もできますが、発電機からコンセントまで電気を供給できるようにするのは電気工事士の仕事です。

電気がなければ、スマホもインターネットも使えませんから、その電気の供給するベースを構築する電気工事士は、仮にスマホやインターネットを超えたものが現れても、無くなる事はありません。

AIにしても電気を供給しなければ使えません。

よって電気工事士の仕事良さとは、テクノロジーの進化によって衰退する可能性が限りなく少ないのです。

無線給電なども増えていますが、大元のケーブルをつなぐには電気工事が必要ですし、その整備も電気工事士が行います。

電気の供給は基礎中の基礎ですから、多少の技術変化はあるものの、大きく変わる事はありません。

少なくともこの20年、私が見てきた世界はそんな世界でした。

その点、電気工事士の仕事の需要は常にあるので資格の中ではお勧めと言えます。

これは電気工事士に限らず、変化の激しい世界では基礎の部分に近い勉強や仕事が一番安定的です。

基礎があれば、新しいものが出てきても吸収する事は想像以上に簡単になるからです。



電気工事士と電気主任技術者

電気工事士と似たような名前の資格に電気主任技術者というものがあります。

ちなみに試験の難易度は電気工事士の資格と比べ、格段に難しい資格です。

そのため、簡単に合格できないので、科目合格制度なんかもあります。

仕事内容は電気工事ではなく発電所の保守とかビルの電気設備の管理や点検とかしてます。

会社の建物や学校の電気設備の点検に来る人の多くが電気主任技術者だったりします。

簡単に言えば、電気に関する点検や監督をする人の資格と思えば、わかりやすいと思います。

指定された学校を出て資格を取得する人もいますが、指定校を出ても試験を受けて取る人の方が私の身の回りには多くいました。

ちなみに私は頭が悪いので、最初から電気主任技術者の受験すらしたことがありません。

資格の難易度もさることながら、仕事への適性も無さそうと思ったので、最初から諦めました。

その方が良いことも、社会人になると結構あるものです。

社会では努力する事は当たり前です。

適性(才能)がある人が更にアップグレードをする中で勝負する事は酷でしかありません。

そのような時は、まずは自分の適性に合ったものを見つけ、それに向かって努力する事が最も勝率を上げられる戦略になります。

実際、私が無線従事者をしてる時は、対数の計算とかアンテナの利得計算とか本当にしてて、嫌だったのですが、同僚は計算が楽しくてしょうがない様子。

こうなると、もはや勝負以前の問題です。

難易度が高いと確かに他人からは「すげー!」と思われますが、その分毎日がストレスになることもあります。

仕事に対する変な見栄は実生活では害悪でしかありません。

そうしたことから、まずは自分自身に正直になることが何より大切だと思います。

だから個人的には、少しでも嫌だと思ったら極力避ける方が人生は楽しくなると思います。

ちなみに私は今では電気とあまり関係ない仕事していますが、これが一番の正解だったと感じています。



電気工事士の就職先

電気工事士と言っても就職先は多岐にありますが、大きく分けると二つあります。


建設・設置納入の仕事

建設現場は説明するまでもありませんが、電気機器を納品する仕事の特徴は、現場から現場を渡る仕事なので移動時間が多く、体力が必要です。

私も納入する仕事をしていた時がありますが、今日は北海道、明日は沖縄なんてこともあります。

最初のうちは楽しかったですが、段々と疲労困憊になります。

体力に自信がある人や、技術を多く習得したい若年層にはお勧めの仕事です。

メリットは下請け会社であっても給料が高めですが、デメリットは家に帰れなかったり、出張先によっては集団生活をする事になることになります。

また、活動先は海外に及ぶこともあるので、多少の英語力があると便利です。



保守管理の仕事

保守管理の仕事とは電気機器の整備等を行う仕事です。

工場やビル設備の管理、または発電所や変電所内での仕事です。

これらの仕事の多くは交代制の勤務なので夜勤があったりします。

また、土日祝日とは関係ない勤務体系であったりするので、土日は必ず休みたい人には不向きです。

しかし、平日が休みになるので、違ったメリットもあります。

基本的に仕事は建設や納入と比較すると楽ですが収入は低い傾向です。

しかし、大手の会社に就職して保守管理の仕事に就くことで、高い収入を得る方法もあるので、保守管理の仕事を目指すなら、大学に行ってから就職した方がいいと思います。



どんな人が働いているのか

電気の業界にどんな人が働いているのか、実は一番気になる点です。

もし、一言で言えば基本的にソフトな人が多い印象です。

もちろん様々な人がいますが、アスリートもいればオタクもいます。

ただ、あまり凝り固まった人は少ない印象です。

また、基本的に理数系が強い人が多く、私のような頭が足りないと就職後に勉強することが山盛りになり苦労はします。

そうしたことから、学生時代から人に「甘えるテクニック」はマスターしておくと良いです。

なので、電気以外にも様々な分野の本は読んでいた方がいいと思います。

例えば、日本地理の勉強は役に立ちます。

例えば、地方出身の先輩の地域を知っていれば悪い気はしないもの。困れば自ずと助けてくれたりします。




電気工事士にプラスαしたい知識

仕事内容も幅広くなっており、仕事で使える知識も多くなっています。

そうしたことから、電気工事士に相乗効果が高くなる知識とはどんなものか、概略的ですが上げてみたいと思います。

出張時に役立つ知識

出張が多い、建設・機器納入の仕事に就くなら、英語の他に世界地理の勉強をしておく事は損になりません。

このような基礎知識は、実際の現場に入る時に一番役立ち、そして必要になるからです。

また。応急処置の方法を含めた医療関連の知識は僻地では役立つことがあります。

余裕があれば、世界の宗教の事を知っておくと、海外出張の際のトラブル回避に役立ったりします。



建築物全般の知識

電気の仕事は建築物に設置するものが殆どです。

そのため、簡単でも建築物の構造部分の名前を知っていると役に立ちます。

施工時には様々なトラブルが発生したり、僻地の現場では建築工事を手伝うことも多々あります。

これらは建築士やビル管理士の本、またはDIYの入門書を軽く読むだけでも役立ちます。

詳しくわからなくても名前を聞いたことがある程度でも、初めて仕事に就く時には役立つ知識になります。



CAD

現場仕事をしていると、何かと図面をかく機会が出るものです。

その度に紙と鉛筆、定規書くのは案外時間が掛かります。

その点、簡単でもCAD(製図アプリ)が使えると、簡単にしかも綺麗に早く書けます。

またJw-CADなら無料で使える上に電気製図も可能です。

操作方法も20年以上前から殆ど変わらず、一度覚えれば作業時間短縮にもなるので、覚えておいても損がないです。





終わりに

長々と書いてしまいましたが、これでも伝えたいことの極一部です。

しかし、時代も変化しており、私の過去の経験の話が今後役立つ場面がないかもしれません。

それでも、多少の業界の空気を知ってもらえたなら、それはそれでいいとは思っています。

仕事に就くにはその業界の最低限の知識は必要なものの、それ以外の知識が大きく役立つ事は多々あるものです。

電気工事士だけでなく、幅広い知識があればある程、仕事でも私生活でも役立つものです。

ここでは電気工事士の話を基軸にはしましたが、自分の適性に合った無理のない生き方を選ぶ事は、豊かな人生を歩むことになります。

仕事選びとは、自分に正直になる所から始まります。