④技能試験対策

電気工事士の独学において一番難しいのは、技能試験のノウハウの習得です。

筆記試験では単なる暗記でも合格水準を超えることは容易ですが、制限時間と限られた材料で行う技能試験では、精神的なプレッシャーは筆記試験とは比較になりません。

一つのミスが合否を分ける技能試験の対策とは、理屈以上に慣れと感が大切です。

それらを体得するには、実際に加工する作業を繰り返す以外に方法はありません。

では、そのような技能試験対策はどう考え、そしてどうするべきか、このページでは紹介します。


技能試験対策の種類

様々な方法があると思いますが独学の場合、大きく訳、以下の三つの選択ができます。

公的・民間の技能試験前の技能対策講座を受講

完全な独学では無くなりますが、1〜3日間の技能対策講座、土日を使った受験準備講座の受講についてのメリットは講座に参加すれば、確実に練習ができることがあります。

これらは、あくまでもコツを覚えるための講座ですから、講習後は独自で練習を繰り返す必要はあります。

デメリットは時間的拘束があることですが、全く自信がない場合や、工具類を全く使ったことがないなら、講師から直接学べる技能講習を受けることが確実です。

また、一定水準の技量は学べるので、心配な人は技能講習を受講するのがよいでしょう。



WEB講座(動画)を見ながら自分で練習を繰り返す

多少なりとも工具類の使用経験があるなら、技能試験対策のWEB動画を見ながら練習をするだけで、十分合格ラインに達します。

WEB講座(動画)には、無料・有料がありますが、どの手法(講座)を選択するかが、重要なポイントです。

教える人が違うと、講座(動画)の内容が大きく違うこともありますから、事前に何種類かの講座を試聴する方法が望ましいでしょう。

しかし、どの講座が自身に合っているのかを選ぶのが最大の難点とも言えますから、時間に余裕がある人にはお勧めしたい方法の一つです。



問題集を読み独自で練習

すでに道具が使える、複線図も書かずに読めるレベルなら、単にテキストを参考にしながらの練習でも十分です。

この方法は、電気工事士業務の経験者や、身近に資格を持った人がいる場合には、特にお勧めできる方法です。



実際の技能対策の一例

おそらく、このページを読まれているあなたの選択は、WEBを見ながら自分で練習を繰り返すことになると思います。

ここから先は、私自身が実際に行った技能試験対策の方法を紹介します。


まずは部品の名前を覚える

筆記試験に出題される問題には、器具や材料、工具などの判別問題も含まれます。

その中には、技能試験で使われるものも含まれています。

部品の名称がわからないと話になりませんから、最初は筆記試験の問題集から始めました。

筆記試験を受験する頃には部品名も殆ど覚えるはずですから、筆記試験受験後は次に説明する複線図の練習をまずは始める事になります



複線図を書く練習

部品の名前を覚えたら、技能試験の問題を解くために必要な単線図を作業用の複線図にする方法を学びます。

筆記試験でも複線図の問題は1問程度出題されます。

しかし、筆記試験対策としては出題数が少なく、覚える手間を省略するため、捨て問題(得点割合低いので初めから勉強しない方法)とする方が楽です。

自己採点で筆記試験の合格の目処が見えたら、そこで複線図の練習を初めてもOKです。




複線図の練習ノートの画像です。
隙間時間を利用して複線図の練習でも十分



現実的な技能試験対策について

技能試験において複線図の学習が重要なことはこれまでに述べました。

しかし、実際の技能試験の短い時間内に複線図を書くことは作業時間を削ることを意味します。

その中で、実はもっと効率的な方法があって、

それは、複線図を書かない作業方法があります。


実体複線図と言うものです。

電気工事士ダッシュプロジェクトのオンデマンド今井さんが考案されたものです。

私はこの方法で試験時間に余裕を持って一発合格しましたが、極限まで無駄がない技能試験対策です。

実体複線図とは複線図を書く手間を省き、実際のケーブルを並べ単線図を確認しながら結線する方法です。

電気工事士の受験では一般的な方法ではないようですが、電気工事に関して素人の私でも、余裕を持って合格する事が出来た、とても実践的な手法です。

但し、実体複線図の手法を使うには、

「複線図が書ける能力が必須条件」

です。

まずは、複線図の書き方をマスターする必要がある事に、変わりありません。


動画でイメージトレーニング

実際に手を動かすのは大切ですが、実はそれ以上に大切なのは、上手な人の作業を見る方ことが本当の上達の近道です。

技能試験には全体の流れがあり、その流れが止まると後工程に影響がでます。

後工程の影響とは時間切れです。

どんなに正確でも、どんなに綺麗な加工をしても、時間内に完成できなければ不合格になるのが、電気工事士の技能試験です。

私も多数の技能試験対策の動画を見ましたが、その中でも一番実践的であったのが、電気工事士奪取プロジェクトの技能試験対策動画です。

また、参考までに、複線図を書かない方法とその理由について解説されている動画を下に付けておきます。



個人的に一番のお勧めの独学での学習法なので、技能試験対策として、繰り返し視聴することをお勧めします。



実際に作る

複線図が書けるようになり、技能試験対策の動画を繰り返し見てイメージトレーニングができると、実際の技能試験の練習に入っても、基本的に迷いがで出ません。

初めてでも、淡々と作業が出来るものです。

それは、次の手順が見えるようになるからです。

結果的に、

練習でムダな材料の消費にもなりません。

技能試験の対策とは、

問題を見た時点で、完成形まで頭に描けること

です。



手順としては、
  1. 単線図を複線図に変換
  2. 材料の加工(カット・成形)
  3. 材料を接続
  4. 配線間違えの確認

この工程を所定時間内に、そして指示通りに正確に終了させることが最終目的です。

ムダな動きは材料を無駄に切り刻むことになり、実世界ではダメな職人です。

個人的な経験から言えば、無駄なく、作業動作も含め美しく作ることを念頭に置くと、自然と作業も早くなるので、お勧めします。

また、候補問題を一通り全て作った場合、その時点でケーブルの切り方や器具の接続については、ある程度は上手になっています。

あとは完成した作品を再び分解し、正確に接続をする練習をのを繰り返すだけで、技能試験対策としては十分なレベルになっています。

もし、その時点でケーブルの被覆はがし等に自信が持てないなら、一番使用されるVVF1.6のケーブルを5m程度買い足し、追加練習をすればよいです。

それ以上に無駄に電材を使わなくても、練習量としては、すでに大丈夫になります。

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